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日々平穏に。されど波乱もひとさじ欲しい。
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昨日の疲れがまだ残ってます。

あ~、今日は一日引きこもっていたいけど、サンデーを読まなければw


犬村小六 「とある飛行士への追憶」 ガガガ文庫

次期皇妃、ファナを連れて単機敵中翔破、距離1万2千メートル。
この無謀とも思える計画を実行に移すべく招集されたのが二つの国の間に生まれた
シャルル。その生い立ちにより多くの迫害を受けてきたが、飛行士となり空へ自由を求めている青年。

自分にできるだろうか。自問を浮かべながらもシャルルは決断する。
そして彼は想いをはせる。この絶望しかなかった世界に一筋の光明をくれた彼女のことを。



僕は神はいると言うほど信心深くはありません。
しかし、この時、この場所に生まれたことを感謝するには親ばかりでなく、
神に感謝しなければならないでしょう。

その感謝の対象の一つとしてこの「とある飛行士への追憶」であることはここに記す必要があります。

最初に伝えなければならないのが、この作品は間違いなく
ラノベの歴史に名乗りを上げるであろう傑作であること。

ここ十年、消費のみに特化したラノベの趣向を真っ向から打ち破る、
古今の物語と遜色なく仕上げられた作品こそがこの「とある飛行士への追憶」です。

まず、読んで進めている内に気付くのがその丁寧な作り込み。そしてそれを続けることで
全ての文字、全ての言葉に一切の無駄なく完成されていることに驚かされます。
それだけの完全な完成度が見る人を圧倒します。

そして、手に汗握るドッグファイト。相手は自機を圧倒する性能を誇る敵軍最新鋭。
それを己の腕と勘で立ち向かうシャルル。その緊迫感が読む手を止めることなく
続いていきます。

しかも小説一冊分でありながら相手側のライバルを立ち上がらせ、ラストへの伏線に
してしまうほど秀逸な流れを形成させるという見事な作者の手腕。

そして、やはり読んでいて脳裏にかすめるのはジブリ作品。
飛行士の物語である「紅の豚」。そして男女の逃避行ものの頂点たる「天空の城ラピュタ」。
僕の脳裏にかすめたふたつの物語にこの作品は手に届くものであると感じてしまいます。

物語を読み終えた後に目を閉じれば聞こえるプロペラ音。そして風の音。
見えるのは大空を翔る飛行機群。小説を読み終えた後、何か大作映画を見終えた後の
充実感を得ることができました。

そして、その最後を見た後に見る表紙の感慨深さ。そこまで計算して作られたこの作品は
作者のみでは完成することは出来ず、絵師、編集の手が加わり完成されたことを知ります。

こまかく語ればきりがない。それほどの物語であり、そして見る価値は十分にある。
この作品と出会えたことを神に感謝したい。と臆面もなく言える作品でしょう。

苦言を呈すればシャルルとファナの地の文が突然切り替わるので少々分かりづらくなっていること。
そのため僕なんかは数回読み直しを行ったのですが、それを差し引いても名作であることは
変わらないわけで、本当に「この作品の作者はバケモノか!」と言いたくなってしまうくらいの作品です。

ラノベを読む人であれば読んで欲しい作品の一作と太鼓判を押すことができる作品ですね。

先日の「東京皇帝」はいったい何だったのか?w

そして先日買った本があと一冊残っているのですが、正直言って可哀想w
この作品の後に読むんじゃ正直、酷評以外ないんじゃないだろうかw
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